エリア
友和エリア
築年月
1986年
移住歴
12ねん
条件
親が高年齢の為

空き家を“自分で育てる”暮らし—— DIYが日常になる家

2026.01.15

DIY

廿日市の住宅地に建つ一軒の空き家。
しげさんがこの家に戻ってきたのは、お父さんが暮らしていた実家を引き継いだことがきっかけだった。桜尾に住んでいた頃は賃貸住宅で、家を手入れすることはほとんどなく、船を買って遊ぶ日々。しかし戻ってきてから、暮らしは大きく変わった。空き家は、しげさんにとってDIYを思いきり楽しめる場所になった。

ものづくりは昔から身近にあった。 アマチュア無線に始まり、会社では電気課に所属し、電気工事もするようになった。その頃から趣味として木工や溶接にも触れてきた経験が、今のDIYに自然とつながっている。玄関の吹き抜け、ベランダの改修、温室づくり。朝7時には工房に来て、一服しながらコーヒーを飲むのが日課だ。「毎日が日曜日」と笑うしげさんは、76歳。工房と家を一日10時間ほど行き来しながら、手を動かし続けている。

植物が好きになったのは、27〜28歳の頃から。 増やせるところが面白く、温室もDIYで整えてきた。工房は基礎から自分でつくり、建てたのは10年ほど前。一番大変だった作業も、「2×4で調べながらやれば意外と簡単。頑丈にもできる」と振り返る。分からないことはYouTubeで調べ、材料はホームセンターで調達。プロに頼まず自分でやる理由は、「安くあがるし、作るのが面白い。失敗してもごまかせるから」。

奥さんはDIYにはほとんど興味がなく、家の中で作ったのは本棚と化粧棚くらいだという。「家の中におらんのが、仲良しの秘訣」と笑う。24歳で結婚し、ここまで続いてきたのは「奥さんが我慢してくれたから」と、照れくさそうに話す。

DIYによって、住まいへの気持ちも変わった。 以前は住むだけだった家が、今は工夫し続けられる場所になった。空き家×DIYの魅力は、やり出すと止まらないところ。次は板を削るためのプレナー小屋をつくる予定だ。空き家は完成させるものではなく、手を入れながら育てていくもの。しげさんの暮らしは、その楽しさを静かに伝えている。