エリア
津田/四和エリア
築年月
1982年
移住歴
7年
条件
アトリエを作りやすい物件、子供の学校が近いこと、ガレージがあること

空き家からひらく “自分らしい働き方と子育て”—— 小学校のすぐ近くで暮らす時間

2026.01.23

子育て

広島市から少し離れた廿日市市津田に、鈴木さんが息子さんと移り住んだのは2019年のこと。デザインの仕事を続けながら、アトリエを構えられる家を探していた時に出会ったのが、外階段から直接お客さんが入れる3階建て、ガレージ付きの空き家だった。家・アトリエ・ガレージがゆるやかにつながり、暮らしと仕事を自然に行き来できる間取りは「自分の世界観を表現できる場所」のように感じたという。空き家だからこそ価格も抑えられ、友人の内装職人と天井を抜き、鉄骨をあらわにし、壁を漆喰で仕上げ、時間をかけながら、自分らしい空間を整えていった。

息子さんが通う小学校は家のすぐ上にある。ほんの数歩の位置に学校があるため、仕事をしながらも学校の様子が自然と目に入り、子どもたちが声をかけてくれることもある。災害や不審者情報があるときもすぐに駆けつけられる距離は、子育ての大きな安心にもつながっている。

デザインの仕事を始めて15年以上。会社勤めの経験もあるが、今の“自宅を拠点にした働き方”がいちばんしっくりくると話す。必要なときに集中して働き、夕方になれば息子と一緒に空手へ向かう。サラリーマン時代と違って、苦手なことも自分でこなさなければならない大変さはある。それでも、時間に縛られず家族との時間を大切にできる暮らしは、何にも代えがたいという。

もともと自然の中で遊ぶことが好きだった鈴木さん一家は、季節ごとに登山や川遊び、スノボ、海と、自然をより楽しみ尽くすようになった。そして日常では、愛犬と息子さんと一緒に歩く散歩道が、地域とつながる場所にもなっていった。
最近は新しいお店も少しずつ増え、まちの雰囲気も変わり始めている。自然のそばにありながら、ほどよく人の気配があるこの場所は、親子にとって心地よい距離感を育んでくれている。

空き家という“余白のある家”は、働き方を自由にし、子育ての安心を深め、暮らしのリズムを整えてくれた。鈴木さんは「空き家×デザイン×子育て」という新しい暮らしの形を、このまちで描き続けている。