- エリア
- 浅原エリア
- 築年月
- 1996年くらい
- 移住歴
- もともと地元、奥さんは9年
- 条件
- 結婚
農業のある暮らし——自然と寄り添いながら重ねる日々
2026.01.15

兼本さんが農業に向き合い始めたのは32歳の頃。お父さんが続けてきた畑を受け継ぎ、気づけば17年以上の年月が経った。現在49歳の今も、「農家としてきちんと生きていく」という思いとともに、畑へ向かう日々を続けている。


育てているのは、お米、サトイモ、山芋、スイカなど地域で親しまれている作物たち。収穫したものは市場や学校給食、スーパーへ届けられ、暮らしと地域をつなぐ小さな循環を生み出している。農業の楽しさを尋ねると「面白くはないよ」と笑う。畑仕事は自然相手の仕事のため天気に左右される不安や体力の限界に向き合う日々でもある。それでも畑に立ち続けるのは、言葉にしづらい“続ける魅力”があるからなのだろう。

朝は6時半に起きて家族で朝食をとり、娘を小学校に送り出す。そのまま仕事を始め、昼食まで畑で作業。昼休憩には、趣味として育てているサボテンを眺める時間が楽しみになっている。サボテン歴は14〜15年ほど。「サボテンは無口なところがいいんよ」と話す。厳しい寒さにも耐え、自作した設備の中で育つ姿が心を和ませてくれるという。


農業と暮らしは常に隣り合わせで、時間の自由さがあるからこそ、自宅の「お気に入りの部屋づくり」を30代頃から少しずつ進めてきた。忙しい毎日のなかでも、暮らしを整える工夫を続け、奥さんはマクラメ編みやドライフラワーなど、手仕事の時間が小さな楽しみになっている。古物探しも好きなので、またゆっくり探しに行く日も作りたいそうだ。


娘は地域の人たちが日々気にかけてくれ、「まちよりも素直に育っている気がする」と目を細める。目まぐるしく過ぎていく日々のなかでも、自然と家族、地域に支えられた暮らしには、確かな温もりと“自分らしい時間”が息づいている。農業のある暮らしは派手ではないけれど、積み重なる豊かさを教えてくれる。